鉄釉と藁灰釉を掛け分けた工程から生まれる表情がおもしろい湯呑です。

【唐津焼作家　藤ノ木土平とは】

◆1949年、新潟県生まれの土平さんは、1975年から、唐津焼　大橋裕氏に師事、その後、織部焼も学んだ後、1980年、佐賀県唐津市鎮西町に土平窯を開窯。 土の個性を生かし、茶の遊び心を取り入れた新しい感覚の唐津焼に挑戦しています。豊かな自然に恵まれた窯では、客人を暖かく迎え入れ、 全国各地に土平ファンが多数いらっしゃいます。土の潜在的な生命力を活かした、野武士を思わせる強靭で素朴な風韻。自らも茶を嗜むからこその、繊細な心遣いを感じるうつわ。自由放胆な遊び心を感じるオリベイズムを加味しつつ、独自性のある作品を制作しています。

【唐津焼について】

素材に対する強いこだわりが唐津焼の魅力。原料を近隣の山から採取し、その後石を砕き、水簸(すいひ)し、混練し陶土が出来上がります。釉薬には自然の植物を燃やした灰を使い、造形、絵付け、施釉に際しても素材の魅力を引き出すことを最優先に心がけ、焼成する登り窯も自ら築き、薪割りも手掛けその薪で焼成をする。このように最初から作品の出来上がりまで一貫して行う作家さんが数多くおられます。よって、無二の作品が出来上がりそれこそが唐津焼最大の魅力です。決して効率がよい仕事ではありませんが効率を求め分業で行う量産品とは違う味わい深い逸品が生まれるのです。

【朝鮮唐津とは】

唐津焼の代表的な装飾である朝鮮唐津は絵唐津・斑唐津と並び人気を集めています。黒飴の釉と白濁した藁灰の釉を掛け分けて出来る景色は絶妙な色と自然から生まれる釉薬の流れが神秘的。白と黒の無二のコントラストはとても美しく人気の秘密です。

【陶器の使い方】

陶器は吸水性、通気性があり、うわぐすりには貫入(細かいひびで、陶器地のひびではありません。)が入っています。 使用していますと茶渋や染みが、貫入部分や陶器地に入ってきます。 ご使用前にお湯にひたし、陶器に水分を充分含ませておくと、茶渋や染みがつきにくくなります。またご使用後はよく洗い、よく乾燥させてからしまってください。陶器ならではのやわらかい趣と、使う度に変化する景色をお楽しみください。