熊野筆が出来るまで。
全国一の筆の産地をご存知ですか?
それは広島県安芸郡熊野町なんです。
昔から変わる事なく受け継がれてきた技術は今に継承されています。
出来上がるまでの各工程はすべて職人による手作業でありその正確さやきめ細かさはまさに神業です。
筆作りは墨を含ませる穂首と手に持つ軸とのそれぞれの工程を経て一本の筆が出来上がります。
穂首づくり
1.選毛、毛組み
造る筆の種類によりそれぞれ必要な原毛を選び量り組み合わせます。
2.火のし、毛揉み
籾殻を焼いた灰をまぶし火のしをあてた毛に鹿皮を巻いて揉みます。その油分を抜き取り毛をまっすぐにし、墨含みを良くするための工程です。
3.毛そろえ
櫛抜きして綿毛を取り除いたあと、少量ずつ毛を積み重ね毛を揃えていきます。
4.逆毛、すれ毛取り
毛先を完全にそろえ、小刀で逆毛、すれ毛などを指先の感触を働かせながら抜き取ります。良い毛だけを徹底的に選抜します。
5.寸切り
命毛、のど、腹、腰と呼ばれる筆の先端から下部にかけての毛をそれぞれの長さに切り分けます。
6.練り混ぜ
寸切りした毛を薄く広げ薄糊をつけながら混ぜ合わせていきます。残っている逆毛などを取り除きながら長さの異なる毛を均一に重ね何度も混ぜ合わせていきます。
7.芯立て
芯立て筒に毛を入れ太さを規格に合わせます。不必要な毛をさらに抜き取り乾燥させます。
8.衣毛(上毛)巻き
穂がより美しく見えるように上毛を薄く広げて乾燥させた芯に巻きつけ更に乾燥させます。
9.糸締め
毛の根元を麻糸で結び焼きゴテを当て素早く焼き締めます。これで筆の穂首の完成です。
軸づくり
1.軸選び
選別台で穂首に合う太さの軸を選びます。
2.ため
火にかけ温め「ため木」で曲がりを直しまっすぐにします。
3.軸の切断
注文の長さに合わせて軸を切断します。
4.コツ付け
軸にセルロイド製や木製のコツを接着します。
5.ロクロ加工
ロクロで軸の太さに合わせてコツを削ります。
6.軸磨き
磨き機により水で荒磨きした後、蝋を使って磨きます。
7.糸付け
ドリルでコツに糸をつけるための穴をあけ、千枚通しで糸を付けます。
8.ダルマ加工
まずダルマを付けるほうの軸の先端面を取ります。次にロクロにワリハメをはめこみ湯通ししたダルマを入れて寸木で長さを決め馬と小刀で削ります。
9.ダルマ付け
軸に接着剤を付けダルマをはめると軸の出来上がりです。
10.くり込み
軸に接着剤を付け穂首をはめ込みしっかりと固定します。
11.仕上げ
糊を穂首にたっぷりと含ませたあと糸を巻き付け軸を回しながら余分な糊を取り除きます。穂首の形を整えたら乾燥させ、キャップをはめます。
12.銘彫刻
軸に三角刀で銘を彫りその部分に顔料で彩色します。
完成
こうして一本の筆が完成します。
現在、熊野町には約1,500人もの「筆司」と呼ばれる筆づくりの技術者がおられます。女性を2人を含む18名の筆司が伝統工芸士として活躍されています。
このような手間暇を掛けて出来上がる伝統工芸品『熊野筆』を当店和雑貨わらいやでも取り扱いが決まりました!!
近日中にご紹介が可能となりました!
お楽しみにしていて下さいね♪
以上、和雑貨わらいや池本靖史(いけぽん)でした(^^)/
たくさんの方に筆を使って頂けますように!
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