肌触りの良い熊野筆の『毛』の正体は・・・。
先日、いけぽんより「熊野筆ができるまで」ということで、その工程をご紹介させて頂きました。
熊野筆の特筆すべきもう一つの点は、何と言っても『毛』です!
特に「命毛(いのちげ)」と呼ばれる毛先の先端で、筆触を決める大切な部分とされています。
また熊野筆は様々な動物の毛を使用していますが、その筆がどういった用途に使われるかによって、使う動物の毛を変えています。
本日は、こだわりの熊野筆に使われている動物の毛を特徴と共にご紹介してきたいと思います。
・リス
毛先が非常に繊細でやわらかく、化粧筆に使われている毛の中でも一番毛質のやわらかな種類です。
リスの毛自体が大変稀少なもので、主に最高級な筆に使用されます。
化粧筆ではふんわりとムラなく仕上がるためフェイス、チーク、シャドーなど幅広く使用されています。
リスの種類には「灰リス」「カナダリス」などがあります。
・山羊
化粧筆によく使われている種類の1つが「山羊」です。
やわらかく粘りとまとまりがある毛質として、高級なブラシにもよく使用されています。
またどこの毛かによっても呼び名と特徴変わります。
①細光峰(さいこうほう)
山羊の毛の中でも最も摩耗の少ない部分の毛を集めたもので、リスと並ぶくらい毛質がやわらかいことが特徴です。
山羊の中でも最高級の毛とされ、滑らかな毛先でマッサージなどの癒し効果がある種類です。
②粗光峰(そこうほう)
細光峰につぐ毛質のやわらかさで、主に摩耗の少ない首回りの毛の事を言います。
適度なコシとやわらかさがあるため、粉のふくみやまとまりが良い為、形状や毛量を変えることで様々な種類に対応できます。
③黄尖(こうせん)
山羊の背中からその側面にかけての毛の事を指します。コシがあり、肌にあてると吸い付くようなフィット感を感じることができます。
粉含みも良い為、フェイスやパウダーブラシなどによく使われています。
・イタチ
毛先にコシがあり、耐久性があるのがイタチの毛の特徴。寒い所に棲息するイタチほど毛質が良好です。
①コリンスキー
コリンスキーの毛は弾力性に富み、かつ細く繊細な毛で肌さわりの良さも兼ね備えています。
先端のまとまりも良くコントロールがしやすい為、リップブラシやアイシャドーに最適です。
コリンスキーも大変稀少で、最高級とされています。
②ウィーゼル
ヨーロッパに棲息するイタチの一種で、こちらも強いコシとしっとり感が特徴です。
粉含みも良く、口紅やリップなど少量で綺麗にのばすことができます。
・狸
大変コシが強く、先が鋭い毛質です。やわらか過ぎては逆に使いづらい、眉の部分にはよく使用されています。
「硬すぎず、やわらかすぎず」が眉用ブラシにピッタリなのです。
上記の者は代表的な動物で、他の動物の毛がしようされていることもあります。
職人がそれぞれの動物の「毛」の特徴を加味しながら、最適で最高な化粧筆を作り上げていきます。
一度使うと離れられない熊野の化粧筆。
毎日使うアイテムだからこそ、こだわりの熊野筆をオススメ致します!!
以上、店長ひらたつでした!!
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