遠州綿紬ができるまで。
静岡県浜松市にて作られている「遠州綿紬(えんしゅうめんつむぎ)」。
この遠州綿紬が作られるまでには、独立した8つの工程がありその全てが地元・浜松市にあり昔ながらの変わらない製法にて作られています。
本日はそんな遠州綿紬ができるまでの8つの工程をご紹介させて頂きます。
1.かせ上げ
綿軸の原料となる綿の糸を、一定の長さの糸を巻いて束ねた「かせ」と呼ばれる状態に巻き取ります。
綺麗に巻けるように手作業で注意をしながら、たくさんの糸を一気に巻き上げていきます。
2.精錬
綿糸を熱湯で洗うことで植物としての脂分や汚れを落としていきます。
この精錬により糸がより染めやすくなるのが特徴です。
3.染色
釡の中で染料を溶かした熱湯をかけて染色をしていきます。
4.糊付け
糸の毛羽たちを押さえ、布を織りやすくするために糊を糸に染みこませます。
織の摩擦で糸が切れないようにする工程です。
5.管巻
糸の束を再び糸巻きへと仕上げます。染め、糊付けが終わった「かせ糸」を巻き取り「いもくだ」という状態にします。
糸が絡まずに切れない様に巻き取っていきます。
6.整経
たて糸を並べて、縞の模様になるように整えます。本数や色合いによりいくつもの組み合わせがあり、配列の順序によって柄が決まります。
7.経通し
整えた縞柄が崩れないように1本1本並べた順番に、「おさ」と呼ばれる櫛上の穴の中に糸を通していきます。
「おさ通し」が終わると、一斉に糸を巻き上げます。
8.機織
たて糸を機(はた)にのせ、織り上げていきます。よこ糸に何色を使うかにより、仕上がりの色合いが変わってきます。
1つの織機で1日に約3~5反をゆっくりと織り上げていきます。
織物の産地・浜松で全ての工程が行われているまさに地場産業であります。
熟練の技術を持った職人がそれぞれの工程を一つ一つ丁寧に仕上げていくことにより、昔と変わらない「遠州綿紬」ができているのですね!!
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