革の基礎知識
今回も革についてのお話し。
皮革の皮と革はどう違うのか?間違えられることも多いこの二つ。
「皮」は動物の皮膚を「革」はその皮膚を原料にした素材である。
動物を食肉加工する際に副産物となる皮は、『なめし』という工程を経て革になります。
その工程であるなめしとは動物の皮を腐敗しないように加工する作業のこと。
なめしは皮を革にするために最も重要な作業であり具体的には動物の皮から不要なタンパク質や脂肪を取り除き腐らないように科学的に処理することです。
現在ではクロムなめしとタンニンなめしの方法が主流であり、クロムなめしは塩素性硫酸クロムを使い数日程度の短期間で耐熱性に優れ伸縮性に富んだ革に仕上がります。一方、タンニンなめしは植物の渋を使っており、数週間から数か月の期間を経てハードな手触りとナチュラルな風合いが特徴の革となります。
革の種類
牛革
あらゆる革の中で、最も用途が多い。更には性別や年齢によって品質にかなりの差があり分類される。
カーフ 生後6か月以内の小牛の革。滑らかで柔らかくキメ細かいのが特徴であり高級品。なかでも生後3か月以内のベビーカーフは最高級品である。
キップ 生後6か月から2年までの牛の革。厚みがあって強度が高い。
ステア 生後2年以上で生後3か月から6か月以内に去勢された雄牛の革。銀面のキメが細かく柔らかいが雌牛に比べると厚みとハリがある。
カウ 生後2年以上の雌牛の革。キップより厚みと強度がある。ステアより柔らかくキメが細かいが強度は劣る。
ブル 生後3年以上の雄牛の革。厚手になる。
馬革
繊維組織が粗いため牛に比べると強度が落ちるが柔軟性に優れている。臀部を使ったコードバンがあり美しい輝きと強さとしなやかさから革のダイヤモンドと呼ばれる。
鹿革
非常に柔軟で手触りも良く何よりも耐水性に優れている。柔らかくしなやかなセーム革と呼ばれる。
豚革
表面に独特な毛穴の模様を持っており革としては薄くて軽い。摩耗にも強く通気性にも優れている。
山羊革
普通の山羊革はゴート、子山羊の革はキッドと呼ばれている。ゴートは羊革よりも充実した繊維組織を持ち、強くやや硬い。摩耗に強い。キッドはゴートよりもさらに薄くて軽い。染色の特色性にも優れている。
羊革
品種が多く多様である。キメが細かく薄くて柔らかいが革の中では強度に欠ける。
オーストリッチ
ダチョウの革であり羽を抜いた痕が最大の特徴。強靭重厚さもあり柔軟性に富んでおり高級素材である。
ワニ
アメリカ産のアリゲーターが有名。
ヘビ
小物はスネーク、大型のものはパイソンと呼ぶ。ニシキヘビの革が一般的によく使われる。
何事もそうだけど知識をもってモノをみると面白いですね♪
これからももっと革工芸品を扱いたく思っております!
以上、和雑貨わらいや池本靖史(いけぽん)でした(^^)/
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