金封のマナー~水引の色と本数~
水引の結び方についてご紹介をさせて頂きましたが、結び方と同様に用途によって注意して選ばなければならないのが「水引の色」と「水引の本数」。
まずは用途に合わせた「水引の結び方」と「水引の色」の組み合わせの例を以下にご紹介させて頂きます。
・水引の結び方×水引の色
水引の色の基本は、日本古来からの「染料」の影響が強いとされています。
衣装などを染める時により高度な技術を要する色や、染料の原料自体が高価なもの程珍重され、格式・地位が高いものとして扱われてきました。
格式・地位が高い順として「金」「銀」「紫」「赤」「藍」「緑」「黄」「黒」となり、冠婚葬祭の行事としては婚礼儀式が最も高く、弔礼儀式が最も低い行事とされてきたのがそのまま水引の色として反映されてきたとされています。
○[蝶結び]×[赤白]
婚礼以外の一般的な御祝いの祝賀品や内祝いを始め、お中元やお歳暮、記念品や粗品・景品など幅広く使われる水引の組み合わせになります。
○[結び切り]×[赤白]
傷病の見舞い品や災害時の見舞い品などに使用されます。なおこの時に使用するものには「熨斗なし」のものを選びます。
ただし快気祝いや全快祝いなどの時には同じ組み合わせの水引で「熨斗つき」のものを使用します。
またのしの本数が10本で「熨斗つき」のものは婚礼用にも使われます。
○[蝶結び]×[金銀]
長寿の御祝いや賞を受賞するときの水引として利用されることが多い組み合わせです。
また開店祝・開業祝や上棟式の御祝いにも使用されます。
○[結び切り]×[金銀]
結婚祝いや結納に使用されます。また長寿の御祝いなど頻度が低いものに使用されることがあります。
○[結び切り]×[黒白]
弔事や仏事全般に使用される組み合わせです。
「蓮の葉」が描かれているものは仏教のみ、「蓮の葉」が描かれていないものは各宗教共通という意味がありますので、「蓮の葉」が描かれているものを使用するときにはしっかりと確認をしておきましょう。
○[結び切り]×[黄白]
こちらも「黒白」同様に弔事や仏事全般に使用される組合わせで、各宗教共通で用いられます。
本来は関西の法事にて使用されていた組み合わせですが、「黒白」では「仏教」のイメージが強いという理由により全国に広がっています。(関西では「黒白」は葬儀に使用されていました。)
また同理由から仏教以外で使用する場合には「黄白」の組み合わせを使用するのが通例となりつつあります。
・水引の本数
水引を結ぶ時の本数は「奇数」とされています。
これは古来中国からの「偶数は陰、奇数は陽」という陰陽説から来ていると言われています。
そういった意味合いからも現在の水引の本数は5本もしくは7本がほとんどで、5本よりも7本の方が本数が多いことからより丁寧な意味合いを持っています。
・婚礼時には10本の水引
奇数が良いとされている水引の本数ですが、婚礼時には10本という偶数の水引で結ばれたものを使用します。
これは「10=偶数」という考え方ではなく、奇数である「5が2倍」という意味でより豪華である、という考え方から来ています。
またこの5という数字は5本指の手のひらを表しているという説もあります。
結婚する両家のお互いの手のひら同士をしっかりと結びあい、決してほどくことができない強固な縁にするという意味を表しています。
水引の結び方と色・本数も用途によって組み合わせが変わってきます。
どれだけ気持ちを込めて贈ったとしても、この組み合わせが間違っているとすべてが台無しになってしまう可能性があります。
しっかりと用途にあった組み合わせを選び、気持ちが真っ直ぐ伝わるようにすることが大切です。
以上、店長ひらたつでした!!
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