「銘仙」って何??
「銘仙(めいせん)」とは一般的に「平織りの絹織物」のことを言います。
大正時代から昭和にかけての女性の普段着として広く普及していました。
・「銘仙」とは?
通常はたて糸とよこ糸を交互に組み合わせて織っていく織物ですが、たて糸とよこ糸をわざとずらすことにより、境目がすこしぼやけた風合いになる柄が流行したりしていました。これが「絣(かすり)」です。
銘仙にはいくつかの産地があり、それぞれの銘仙に特徴がありました。
足柄銘仙・・・柔らかく複雑な絣模様が特徴。昭和初期には生産高が日本一に。
伊勢崎銘仙・・・「併用絣」という糸を用いて、大胆で鮮明な柄の表現が特徴的。
桐生銘仙・・・細かく鮮やかな絣が特徴。
八王子銘仙・・・縞ものや男性の着物によく使われていた柄。
・秩父銘仙(ちちぶめいせん)について
今回わらいやでピックアップさせて頂いたのは「秩父銘仙(ちちぶめいせ)」。
埼玉県の自然豊かでゆったりとした時間が流れる素敵な町です。
「秩父銘仙」の特徴のひとつに、まず「表裏がないこと」が挙げられます。
さらにはたて糸に補色を用いることで、玉虫色の光沢や、色・模様の柔らかさ、深みのある風合いを得ることができます。
柄としては植物をモチーフにした柄が多く、赤や紫・茶色などの落ち着いた色合いが多い傾向にあります。
・秩父の銘仙柄の復刻
着物から洋服へと移り変わるにつれ、秩父銘仙も衰退の一途をたどってしまいます。
埼玉県の伝統工芸士に認定され、秩父捺染協同組合の理事に就任した「碓井正男(うすいまさお)」さん。
碓井さんは100年も前の銘仙柄を復刻させ、新たにてぬぐいの柄として起こしています。
数千ある銘仙柄の中から、現代にも合うモダンな柄や昔からの伝統の柄など、碓井さんが厳選した柄ばかりです。
独特だけどどこか懐かしさを感じる柄のてぬぐいです。
・秩父の色100選
秩父市と碓井さんが協力をして生み出した「秩父の色100選」。
秩父のある場所で決まった日時・時間に写真を撮る、この作業を5年間行うことにより秩父にある「色」を調べてきました。
秩父固有の自然、花や草木、樹木や昔からの建物、または天気による全体の色など、様々な要因から色を抽出し「秩父を表す色」として100色が選ばれました。
碓井さんが作るてぬぐいには、すべての色にこの「秩父の色100選」が使用されています。
まさにてぬぐいが秩父の情景そのものを映していると言えます。
これからは秩父銘仙の柄を、てぬぐいだけではなく小物やシャツになどにも起こしていきたいという碓井さん。
わらいやも微力ではございますが、銘仙柄をもう一度よみがえらせるお手伝いをさせて頂ければと思います!
以上、店長ひらたつでした!!
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