職人技の美しい「文庫」。
「文庫」と言っても「本」のことではありません。
今回ご紹介致します「文庫」とは兵庫県姫路市の特産品でもある牛革・白なめし革に彩色豊かな柄をあしらい、特殊な加工を施す工芸品のことです。
彩り豊かで立体感のある文庫革は、他の革製品とは違った風合いがあります。
文庫革は漉き・断ち・捺染・型押など様々な工程を経て製品へと形を変えていきます。
どの作業にも熟練した職人の手による作業が必要で、今や大変稀少な技術となっています。
・職人の町「浅草」で作られている浅草文庫
当店、和雑貨専門店・四季彩堂で取り扱いをさせて頂いているのが「浅草文庫」。
その名の通り東京都の浅草で作られています。
「型友禅」と「手描き友禅」の技法を使い、幾重にも色を重ねていくことで立体感のある鮮やかな色合いに仕上げているのが特徴的です。
伝統的な図柄を参照しながらも、現在のファッションを取り入れたオリジナルのデザインも浅草文庫ならではです。
・とても大変!色を入れる作業
浅草文庫では色を入れる主な作業として「捺染」と「手描き」があります。
まずは「捺染」、ベースの白い革に型を押し当てて色を染めていく作業になります。
型の数は柄・色数によって違いますが、「花菱」の柄などは18もの型を使用します。
18回も捺染の作業を繰り返すということなのですが、途中でちょっとでも色がずれて入ってしまったら失敗です。
また革は伸び縮みするため、すべての色を1日で入れてしまわないといけないのです。
技術と集中力がなければとてもできない作業ですね(@_@;)
捺染が終わったら、さらにそこから「手描き」が加わります。一色一色、筆による手描きです。
人の手だからこそ表現が出来る濃淡や立体感が、「浅草文庫の命」として丁寧にふき込まれていくのです。
・大敵は紫外線と湿気
革を使用した製品すべてに言えることですが、湿気に弱くカビが生えやすいという特性があります。
使用後、保管をする際には直射日光やライトに長時間あたらないよう、また風通しの良い場所にてお願い致します。
また表面にはUVコーティングを施してありますが、紫外線を100%カットするものではありません。
使用していけば色が落ち着いて馴染んでいきますので、経年変化を楽しんで頂きたく思います。
職人の丁寧で細かい手仕事から出来上がる浅草文庫。だからこそ長い間ご愛用頂けたら幸いです。
以上、店長ひらたつでした!!
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