伝統工芸の宝庫・京都の「京扇子」。
京都の伝統工芸品と言えば「京焼・清水焼」や「西陣織」などいくつも有名なものが思い浮かぶかと思います。
その中でも今回ご紹介させて頂くのが風情感じる「京扇子」です。
・京扇子の歴史
京扇子の歴史はとても古く、平安時代に筆記用具の代わりとして使われていた木簡(もっかん)が起源とされています。
記録用に30cmほどの木片を何枚も重ねて綴じ合わせた「檜扇(ひおうぎ)」が扇子の原型とされ、続いて作られた「蝙蝠扇(かわほりせん)」は片面に紙を貼ったもので、より現在の形に近くなりました。
平安時代などは貴族のお遊び用、もしくは僧侶の儀式用などに使用され庶民の使用は禁止されていました。
鎌倉時代には日本の扇が中国に渡り、室町時代には唐扇として変化をして日本に逆輸入されました。
ヨーロッパなどへもシルクロードを経て渡り、素材を変えながら広く普及していきました。
日本で、一般に広く普及し始めたのは江戸時代に入ってから。
京都の重要な産業として保護されるようになり、それからは扇子を売る商人が次々と出始め広く一般に普及していきました。
・京扇子を作るにあたって
京扇子を作るためには骨作りから、地紙作り、絵付けや組み立てなど約80以上もの工程があります。
また大きな特徴としてその工程の全てが「分業制」、つまりそれぞれの工程を行う職人の手によって一つの京扇子が生まれるのです。
何十人もの職人の手を渡り出来上がる京扇子は作り手の想いと技術が詰まりに詰まった一品と言えます。
また国内の扇子の生産高の9割は京扇子が占めています。
それぐらいに京都での扇子づくりは盛んな産業の一つとなっているのです。
京都の美を追求する心は「京扇子」にも表れています。
上品で艶やかな一品は贈り物にもピッタリです。
女性・男性問わずに贈れるのも「京都の美」ならではでないでしょうか。
以上、店長ひらたつでした!!
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