奥深き『古布』の世界。
先日お客様に「古布」を使用した商品を説明する機会があり、私自身も説明をしながらまだまだ知らないことがあるなぁと実感させられました。
そもそも「古布」とは昭和初期以前に使用されていた布生地とされ、江戸時代からのものもありますが、古いものだと平安・鎌倉時代のものがあるそうです!(どんな生地なんでしょうか。。。)
数十年から100年以上も前から存在する古布。大切にされてきた布だからこそ、皆様をひきつける魅力があるのではないでしょうか?
「古布」と一口に言いましても種類がいくつかございます。
今日は「古布」の種類についてご紹介をさせて頂きます。
◆◇ 絣(かすり) ◇◆
「絣」とは絣糸(かすりいと)を用いて織られた織物です。
この絣糸とは、織られた後柄になることを想定して、前もって染め分けられた糸のことを指します。
江戸時代後期からは日本各地に広まり、普段着として和服などに用いられていました。
「かすれたような」細かい模様であることから「絣」と呼ばれるようになったという説もあります。
また蚊絣(かがすり)と呼ばれる細かな絣の模様もあり、こちらは細かければ細かいほど高価だと言われています。
◆◇ 刺し子 ◇◆
刺し子はいくつもの綿布を重ねて、細かく縫っていく技法のことを言います。
とても頑丈で現在では柔道着などに使われています。
保温性に優れ、貴重な木綿を再利用できることから生活に欠かせない技術となっておりました。
どれだけ美しく刺せるか、またそれがオシャレの一因だった時期もあった程です。
◆◇ 更紗(さらさ) ◇◆
花や人物、動物や植物などの模様を染め付けた木綿を指しますが、はっきりとした定義でくくることが難しい種類です。
もともとはインドからシルクロードを通って伝来したとされ、17世紀ごろには日本に渡来したとされています。
シルクロードの途中でそれぞれの発展をとげてきた更紗は、ペルシャ更紗など今もなお染め続けられています。
日本でも「和更紗」と呼ばれる独自のものを発展させ現代に伝えられています。
◆◇ 縮緬(ちりめん) ◇◆
絹織物の一つで、表面にしぼがあるのが特徴です。
たて糸に撚りのない生糸を、またよこ糸にのりづけされた強撚糸を用いて平織りにします。
その後ソーダを混ぜた石鹸水で煮沸をすると、よこ糸の撚りが戻ろうとして縮緬独特の「しぼ」になります。
縮緬にはさらに様々な種類があり、着物や帯地、巾着や鼻緒、風呂敷などにも使われています。
~番外編・着物のお話~
先日、私ひらたつの知り合いが着付けの大会に出場するということで見学に行ってまいりました。
いかに美しく、素早く、上品な振る舞いで着付けができるかの大会でございました。
振袖や留袖、カジュアルといった部門があり、着物に無知な男性(知っている男性の方はすいません!)の私は「着物っていろいろあるんだなぁ」とただただ感嘆しておりました。
また着物には「染」と「織」の2種類があることも最近知りました。。。
「染」の着物の方が格が高く、パーティーや御祝の席には「織」の着物はNGなんだとか・・・。
「染」には先程申し上げた振袖や留袖、花嫁衣裳などがあり、「なるほど・・・」と納得致しました。
着物には欠かせない帯にも「染」と「織」の2種類があります。
が、しかし帯に関しては「織」の方が格が高いとのこと!
「織の着物に染の帯、染の着物に織の帯」
着物と帯の格式を合わせるということで上記の言葉が生まれたようです。
最後ですが、着物の場合一般的な「染」と「織」とは違い、次のような意味合いでの区別になるそうです。
染・・・後染めの着物・帯
織・・・先染めの着物・帯
着物の業界での違いは、織ってから染めるか、染色した糸を使って織るかの違いだそうです。
色鮮やかで綺麗な着物は女性が着ても男性が着ても、やはり美しいものでした!
以上、店長ひらたつでした!
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