- トップページ
- >
- 作家名で探す
- >
- あ行
- >
- 小澤康麿猫作家(陶器)
小澤康麿さん 陶歴
- 昭和30年
- 長野県生まれ
金沢美術工芸大学 油絵科 卒業
同学 研究科 修了
高校教諭、ノベルティーメーカーのデザイナーなどを経て、独立 - 平成7年
- まる工房開設
- 平成12年
- 招き猫大賞受賞
- 平成16年
- 九炉土干支コンテンスト特別大賞受賞
小澤康麿さん インタビュー
―陶芸の世界に入ったきっかけを教えて下さい。
美術大学を卒業して高校の美術教師になったのですが、自分の本当にやりたいこととは少し違うかなと思っていました。そんな時、瀬戸で、ものづくりの面白い仕事があることを知り、瀬戸にやって来ました。
はじめは、企業に就職しノベルティという輸出用の置物のデザインをしていましたが、業界が大きく変わり始めたことと、一社にとらわれるのではなく、それぞれの企業の得意分野を引き出せるようなフリーのデザイナーになりたいと思い35歳の時に独立しました。
もともと、家内が焼き物をやっていたので、絵を描くだけでなく自分で焼き物もつくるようになったのがきっかけです。
―猫の作品を多く手がけられる理由はなんですが?
猫を飼っていて好きだったということもありますが、猫は動きが面白かったり、表情が豊かだったりで、作品の対象としては、とても魅力的なのです。
また、瀬戸市のイベントで招き猫祭りの第一回100人展で大賞をいただいたこともあり、猫のイベントや個展などでお声をかけて頂くことが多くなり、猫の作品が増えました。
今では、「リアリティーのある猫」「擬人化した猫」歌川国芳の浮世絵で描かれた猫を立体化した「国芳猫」の3つを柱に作品を創っています。
―陶芸の作品をつくるときのこだわりを教えて下さい。
猫に関して言えば、可愛いことは重要な要素の一つですけど、ただ可愛いだけじゃなく怪しい目をした猫や人の気持を映しだすような表情をした猫など、それぞれの猫の表情にも意味を持たせてつくっています。ぜひ、皆さんにもそんな視点でご覧いただくと楽しんでいただけると思います。
また、学生の時に油絵を専攻していたので、一般的にはアクリル絵の具が使われる絵付けも油絵の具を使って色を乗せています。油絵の具の色の伸び、強さが私は好きなんですよね。
―将来の夢や今後のことを教えて下さい。
あまり、計画的に考えて行動するタイプではありません。それよりも、自分の感性に任せて気持ちの赴くままに自由な発想で作品をつくりたいと思っているので、今後のことはあまり考えていません。
ただ、今は平面+立体で表現することに興味があります。歌川国芳の浮世絵を立体にした国芳猫もそうですが、平面と立体を合わせて表現できることがとてもおもしろいと感じていますので、そんな作品を少しずつ、つくっていきたいと思います。
―最後に、小澤康麿さんにとって陶芸とはなんですか?
作品をつくっていると「ふっ」とした瞬間、とても気持ちのいい快感を覚える時があります。例えばだんだん形になって急に手に馴染む瞬間や思い通りの形ができる瞬間が大好きです。
ありきたりですが、ただただ好きなのだと思います。